デフレ深刻化によりデフレ脱却を果たした国

2025.11.20

YM

一昨日は第22回のやまと三橋塾(YM)でした。

今回は『デフレ深刻化によりデフレ脱却を果たした国』と題して、「デマンドプル(需要牽引)型」ではなく「サプライロス(供給能力毀損)型」のインフレに突入した我が国の状況について、大いなる皮肉も込めながら解説していただきました。
おそらくこの状況に陥った国は、人類史上初ではないかとのこと。

これは三橋先生が後から統計を分析して分かったことらしいのですが、実は我が国は2023年から既にインフレ状態にあったのだそうです。
その頃は原油等の輸入物価の上昇に伴う「コストプッシュ型物価上昇」の真っ只中でしたので、我々はインフレ局面に突入していることに全く気づきませんでしたよね。
何なら、今だって体感値では全く以てインフレを感じませんが、、、

本件についても古賀が過去に何度も触れていますが、インフレ/デフレの本質は「貨幣現象」ではなく、あくまでも「経済現象」です。
世間では「物価が上がる/相対的な貨幣価値が下がること」をインフレと呼び、「物価が下がる/相対的な貨幣価値が上がること」をデフレと呼んでいますが、正確にはそうではありません。
需要がインフレイト(膨張)することがインフレであり、逆に需要がデフレイト(収縮)することがデフレです。

すなわち、実体経済における総需要と供給能力の関係において、「需要>供給」の状態がインフレであり、逆に「需要<供給」の状態がデフレです。
ここをしっかりと踏まえておくことはいろんな意味でとても重要なのですが、とは言え三橋さんも私も便宜上、物価上昇のことをインフレ、物価下落のことをデフレと呼んだりもしますのでお見知りおきを。
他にも「合成の誤謬」についてのお話だったり、人口と経済成長との関係だったり、投資/投機についてのお話なんかをたくさん教えていただけました。

とにかく大切なのは「実体経済における供給能力」と「生産性の向上」であり、マネーはあくまでも手段でしかないことを再確認させていただきました。
とどのつまり、お金や金の延べ棒を食べることはできないんですよね。

我々は革命をやっている訳ではないので一気に物事が動くことはありませんが、国民の認識(想念)が変わって行けば、着実に現実も変わって行きます。
とはいえ、どんな状況下においてもできるだけご機嫌にやって行きたいものですね。

後半の対談ではいつになく三橋先生と古賀のコンビが順調で(笑)、いつものバチバチな場面がほぼありませんでした。
政局についての話から皆さんからのご質問まで、幅広いお話ができました。
そういう部分も含めいろんな意味で興味深い内容になっておりますので、もしご興味のある方はぜひ大経連へお越しください!

最後のYouTubeでは「直近のGDPデフレータから読み解く我が国の現状」について解説いただいたので、こちらもぜひとも楽しみにしていてください。